ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2019年8月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

「大人は大変そう」(89.3%)
「大人は疲れている」(93.6%)
「大人は楽しくなさそう」(68.5%)
「大人は暗い」(61.8%)
「大人は尊敬できない」(53.6%)


ソニー生命が今年、
全国の中高生を対象に行った調査結果です。
とほほ、、、


彼らの目に映っているこうした大人の姿が
影響しているのでしょうか、
将来についての回答はこうです。


「自分の将来、10年後は明るい」(45%)
「日本の将来、10年後は明るい」(26.4%)
「世界の将来、10年後は明るい」(29.4%)


こうなりますね、、、 もう、大人として申し訳ない気持ちです。
でも、もしかして、これ、
日本や世界の将来は明るくなくても、
自分の将来は明るいと思っている、ともとれる?


続いて、カッコいいと思う大人と、
将来なりたい職業についてを見てみました。


「好きなことに打ち込んでいる大人は
カッコいい」(56.3%)


将来なりたいのは、
「ITエンジニア・プログラマー」(男子1位)
「会社経営者・起業家」(男子2位)
「YouTuber」(男子3位)


「へえー」と思いました。
2位の会社経営者・起業家は、
昨年のTOP10圏外から急上昇のようです。


とは言え、です。
全体的な調査の数字を見ると、
やはり、思っていた以上に、
多くの大人は若者に夢を与えられていないです。


彼らにとっての大人とは、YouTuberではなく、
普段目にしている大人。
そんな大多数の大人が、とにかく疲れている。
もちろん、楽しそうに見えない。
もしかしたら毎日、子どもたちの前で「疲れた」と
つぶやいてしまっているのかもしれませんし。
だから、好きなことに打ち込んでいる
一部の大人はカッコいいと思うのは当然。
大人だってそう思います。
若い世代にとっては、なおさらですね。


こうなってくると、
「やはり大人が夢や目標を持たないと」
という気持ちになります。なんとか、
「楽しそうな姿を見せなければ」と。


でも、夢や目標は、なかなか簡単に持てるものではないですね。
そして、この設定が進まないと、
一歩を踏み出せず、結局、取り組めない、
という結果になってしまいます。


シンガーソングライターの米津玄師氏は、
「好きなことに打ち込む中で、目標が見えて来る」と
インタビューで語っています。


次々にヒットソングを生み出し、
今や小学生から大人まで、幅広いファンを持つ米津氏。
もともとは、ボカロ(ボーカロイド)用に
楽曲をメイキングし、活動していましたが、
ある時から、自分の力を試したいと思うようになり、
メジャーデビューを決めたのだそうです。


「好きなことに没頭する中で、人との係わり方を学んだし、
次にやりたいことも見つかった。
夢はそんなふうに見つかるものだと思う」


このインタビューを見たとき、
ああ、そんな感じでいいんだな、と思いました。
大人になると、どうしても先に夢や目標を
設定しなくてはならないと
思ってしまいがち。でも、やりながらでいいんですね。


さらに、「好きなことを見つけなきゃ」と
焦る必要もなくて、
何となく目の前にあるものに手をつけてみて、
好きがどうかは、後から考えればいい。
とにかく何でもやってみることが大切だと思いました。
そう考えると、何かを始めるための
ハードルが低くなりますね。


若者にとって、魅力的な大人であるために、
皆さんは何から始めますか?

「日本人は、共感スイッチを切る能力が必要かもしれない」


『蛇にピアス』の著者、
作家の金原ひとみさんがインタビューでそう言っています。


金原さんは、小説は、
「読者に、ちゃんと伝わるだろう
と思って書いているが、それは同時に、
人と人はどんなに近くにいても、どんなに話し合っても、
どうしてもわかりあえない、ということが
伝わるだろう、ということでもある」
と語っています。


さらに、最近のSNSについて、こうコメントしています。


「わかる、わかるという共感の嵐が起こっている。でもそれは、
階層が随分と引き下げられた、わかる、だと感じる」


これは、私も時々感じます。


他人の発言に対して、
「わかる」と共感しなくちゃいけない。
簡単に「わからない」とは言えない空気が
世の中全体にあるように感じます。


表面上の「わかる、わかる」は
言う方も言われる方も、安心はするけれど、
本当の意味で「わかり合えていない」
ということなんだろうなあ、と。
そして、本当にわかり合える、を目指しすぎると、
そこに達することができないと感じたとき、
憎しみや怒り、悲しみが
湧いてきたりするのだろうと思ったりもします。


こんな調査を見つけました。
「誰にも共感されない怒りを覚えたことがありますか?」
2017年に日本全国の20~60代の男女
1500名を対象に行われており、
これによると、36.9%が「はい」、
つまり、「共感されない怒りを
覚えたことがある」と回答しています。

怒りの内容を見ると、
「真剣な話をしているのに、軽めのリアクションで返された」
「納得いかないことについて話していたら、
周りが、そんなもんだよ、となだめてきた」
「自分が良いと思っていたアーティストを
周りのだれもが良くないと言った」
など。


これを見ていて、私たちは自分と違う意見を言う人とどう接するか、
どういう言葉をかければいいか、
単純にわからない、慣れていない、
ということなのかもなあと感じました。


本当は、共感できない、わからないなら、
軽めのリアクションで返したり、なだめたりせず、
そうなんだね、と言えばいいんですよね
(と、過去を振り返りながら、反省して書いております)。


そこで、必ずしても「わかる」を目指す必要はなくて、
わからなくても、相手を認めればいいのだと思います
(と、過去を振り返りながら、反省して書いております)。


金原さんは、フランス生活を終えて
帰国したばかりですが、
フランスで暮らしたことで、
生きづらさが緩和されたと言っています。
それは、呆れるくらい色々な人がいて、
色々な考え方があって、色々なことを言う。
その自然の摂理を受け入れたからだそうです。


日本人である私たちは、
「わかる、わかる」と
「わかって、わかって」スイッチを
切ることは、諦める、とか、突き放す、
というネガティブな行為に感じますが、
そうではなくて、
価値観の違いを認める、という
ポジティブな行為なのだなあ、と、こうして書きながら感じています。

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