ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2019年5月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

テレビを観ていた次男が、
「フライドチキン食べたい!今!」
と叫びました。


パリパリの衣が特徴の
ケンタッキーフライドチキンのCMで
CM内で流れる「パリパリ」音がとてもおいしそうなのだとか。
後日、同CMを観ましたが、
なるほど、食べたくなる音でした。


ケンタッキー社の調べによると、
このパリパリ音には、脳の前頭葉に働きかけ、
ポジティブな気分をもたらすことにより、
食欲を増進させる働きがあるのだそう。
パリパリ音はお腹がすく音なのですね。


こうした食べ物を咀嚼する「音」に
最近注目が集まっているようです。


人気の背景には、「AMSR Autonomous Sensory
Meridian Response」と呼ばれる反応があります。
AMSRは直訳すると「自律感覚絶頂反応」で、
人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、
心地よい、またはぞわっとする
感覚や反応のことです。


今、多くのユーチューバーが、
専用のマイクを使って咀嚼音をクリアに拾った、
食べる動画を制作しており、
世界中で再生回数が伸びています。
この現象に注目した食品業界では、
より「音」にこだわった
商品開発が増えているそうです。


それにしても、なぜ、
咀嚼音が心地よさにつながるのか。
考えていたら、こんな調査を見つけました。


日本音響研究所が行った周波数分析によると、
スナックを食べる
「パリッ、ザクッ、ザクッ」という音は、
その波形が、なんと沖縄県・西表島の浜辺に寄せる
波の音と似ているのだそうです。


へえー!
自然の波の音に似ているから心地いいのか、
という単純なものではないとは思いますが、
「音」と気分の関係、とても興味深いと思いました。


咀嚼音に限らず、音にこだわった商品は、
以前よりも増えてきているように感じます。


私は昔から、電化製品にデフォルトで
設定されている終了音のメロディがあまり好きではなくて
ほかのメロディに変えたくても、
好きなメロディがない場合が多く、
仕方なく、シンプルな電子音にしているのですが、
大きな「ピーッ」という電子音も
そんなに気に入っているわけではないので、
もっとステキな音だったらなあ、
なんて思っています。
終了音だけでなく、スイッチ音なんかもそうです。


なので、スイッチ音に楽器音を取り入れた
バルミューダ社の電子レンジが発売になったときは、
「おおおー!」と思いました。


マーケティング業界では、
「感覚マーケティング」とか「五感マーケティング」
というジャンルがすでにありますが、
これからは聴覚のみならず、
消費者の五感に訴える商品が増えていくのだと思います。


館内の香りにこだわったホテルや旅館が
すでに評判を呼んでいますし、
自動車業界では、シートの座り心地はもちろん、
車内のスイッチのクリック感や押し込む深さなどにこだわって
開発された車も見られます。


そう考えると、もしかしたら、商品開発だけでなく、
たとえばプレゼンや社内のミーティングでも
五感にこだわることは大切なのかもしれません。
そんな目で見渡してみると、
いろいろなアイデアが浮かんできそうな気もしますね。

テレビをつけたら、元サッカー日本代表の
本田圭佑選手が出演している炭酸飲料のCMが
流れていました。
本田選手と一緒にリトル本田も出演していて、
久しぶりで、懐かしくなりました。


リトル本田が有名になったのは、本田選手が
イタリアのACミランに入団した2014年。
入団会見で、記者から
「なぜ、ミランを選びましたか?」と聞かれ、
本田選手は
「自分の心の中のリトル本田に聞いてみた。
彼は『ミランでプレーしたい』と言いました」
と答えました。


マスコミは、彼のユニークな回答を
一斉に取り上げ、一時、日本では、
「リトル本田」を笑いのネタにするような風潮もありました。
しかし、この「リトル本田に聞いてみた」
という言動は、実は本田選手が
「メタ認知」ができているということを示していたのです。


メタという言葉には
「高次な」という意味があります。
「メタ認知」は、あるものを一つ上の視点から客観的に見ること。
自分自身を客観視する能力としても使われ、
ビジネスやスポーツ、教育の分野などで注目されています。
本田選手は「リトル本田」を通して、
自分の行動を冷静に見つめ、分析していたのです。


一流のスポーツ選手は
総じてメタ認知能力が高いと言われますが、
中でもよく知られていたのがイチロー選手です。


イチロー選手は、
「自分が何をどう感じて、どのように打てているかを説明できた時、
超一流の仲間入りができた」
という名言を残しています。
これはメタ認知ができていなければ、生まれていなかった言葉でもあります。


では、反対にメタ認知をしないと、どんなことが起こるのでしょう。


「ダニング=クルーガー効果」
という現象があります。
2人の心理学者がアメリカのコーネル大学で
行った研究で知られるようになりました。


心理学者の茂木健一郎氏は、
「ダニング=クルーガー効果」を
次のように説明しています。


能力の低い人は自分のレベルを
正しく評価できない。
能力の低い人は他人のスキルも
正しく評価できない。
よって、能力の低い人は自分を過大評価する。


研究では、ある試験のあとに、
自分がどの程度の成績かを評価させる実験が行われました。
すると、下位4分の1にいる人は
「かなりできたので上位を狙える」と答え、
上位にいる人ほど「もっと成績を上げる努力が必要」
と謙虚な答えが返ってきたのだそうです。


茂木氏は、これがまさに、
ダニング=クルーガー効果の好例であり、
脳が持つ特定の思考癖を表していると言っています。


なんだか、ちょっと耳が痛いような気もしますが、
でも確かにそうですね、、、
勉強でも、仕事でも、スポーツでも、
自分のどこに問題があって、
どうすれば良くなるのか、
わかっている人は、伸びていきます。
でも、自分の問題に気づくことすらできないと、
成長することもできません。


でも、ご安心を。
メタ認知の能力は高められるそうです。


トレーニングとしてよく取り上げられているのは、
自分が考えていることを紙に書くことです。
え、それだけ? と拍子抜けしてしまいそうですが、
書くだけで終わらせるのではなく、
後から客観的な視点で読み返すことで
「自分はこんなふうに考えたんだ」
と、気づくことが重要なのだそうです。


何か悩みがあるのであれば、
相談する自分とアドバイスする自分の2役を
紙上で会話させる方法も有効だそう。
悩む自分「~で悩んでいる」
アドバイスする自分「なぜ、そう思ってるの?」
というふうに。
もうこれ、リトル本田ですよね。


こうしたトレーニングで
客観視する癖がついてくると、
自然にメタ認知能力は高まっていくそう。
そして、メタ認知ができると、
成長スピードはぐんと上がります。


皆さんは自分の中の「リトル・ミー(ME)」と、
どんな会話をしますか?

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