ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2019年3月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

こんな記事を見つけました。


自分は褒められて伸びるタイプだと思うか?
という調査に72.8%が「はい」と回答。
その理由は、
「褒められるとテンションが上がるから」
「褒められるとやる気が出るから」
「へこみやすく、立ち直りが遅いから」
「プレッシャーに弱いから」など


一方、「いいえ」と答えた27.2%の理由は、
「叱られて多少プレッシャーを
感じたほうがいいから」
「褒められると気が緩むから」
「気付かない部分を指摘してほしいから」
「あまり人の評価は気にしないから」など


これ、私は回答するのが難しいと思いました。
私の答えは、褒められても叱られても、
伸びないときは伸びないし、
伸びるときは伸びる。
なぜなら、結局は自分の力だから。
こういう考えの場合は、
「いいえ」にするんでしょうか。。。


今は「褒めて伸ばす」子育てや
育成の仕方が一般的ですね。
で、こういった記事の多くは、
「褒める」か「叱る」か、
の比較で書かれていることが多いです。
どうしてこの2種類なのかな。


私は、先ほども書きましたが、
人が成長するときは結局は自分の力で伸びていくと思うので、
褒めて伸ばそうとか叱って伸ばそうとか、
あまり思いたくないです、個人的に。
そして、そうされたくもないです。
褒められるのが嫌いとか、叱られたくないというわけでは全くなくて、
「伸ばそう」部分がしっくりこないのかもしれません。
面倒臭いタイプですね。


とくに、「褒める」は、考える前に言ってしまった、
ということであってほしいと思います。
思わず出てしまう「すごいね!」のように。
なので、相手が不自然に褒めようと
していたり、お世辞を言っていたりすると、
ムムム?と警戒してしまいます。


そんなことを考えていたら、
アドラーのこんな言葉を見つけました。
「ごほうびやほめ言葉につられて、
私たちの言う通りの行動を取る人が
いたとしたら、
その人は自分の意思で行動しているのではありません」


アドラー心理学では、人を育てるのは、
「褒める」ことでも「叱る」ことでもなく、
「勇気づける」ことだと言っています。
上からの評価である「褒める」ではなく、
横からの「勇気づけ」。
それは「感謝」である、と。


「感謝」、なるほどなあと思いました。
やはりコントロールが見え隠れしない
純粋な気持ち、それが背中を押すんですね。


私は個人的に「応援」も
勇気づけだなと思いました。
見返りを求めない、素直な「がんばれ」。
相手の調子が悪くても、
それを責めたりしない、
変わらない「応援」です。


以前、みうらじゅん氏がインタビュー記事で、
娘の大ファンであると語っていました。
娘さんが生まれたときから大ファンだそうで、
ファンだから「好きです」を繰り返し、
応援し続けているのだそうです。
娘はぼくにとってのスター。
スターはファンに対して、気軽に、
私も大好きです、などとは言わないので、
娘が何も返してこないのは当然。
そんなことは求めていない、と。
いい親だなあと思いました。


会社で、「応援する」というワードは
あまり使わないですし、
「ファンです」は確実に怪しまれますが、
純粋な気持ちから出る言葉や行動は
やはり勇気を与えるなと改めて感じました。

先日、NHKの『ヘウレーカ!』という番組で、
極地建築研究家の村上祐資さんが
閉鎖的な空間での人間関係について語っていました。
村上さんは、閉所で生活する人々を観察することで、
極地の建築がどうあるべきなのかを研究しています。


閉鎖空間での人間関係と建築。
聞いただけで息苦しくなりそうですが、なんとも興味深いテーマです。


番組の中で村上さんは、極地建築に興味を持つきっかけになった
いくつかの実験を紹介していました。


一つは、アリゾナの砂漠に建設されたバイオスフィア2という
完全な閉鎖空間で、男女8人が2年間生活をするという実験。
目的は、人類が宇宙空間へ移住するとき、
閉鎖された生態系の中で生存することが
できるかどうかを検証することでした。


もう一つはロシアで行われた実験。
宇宙ステーションを模した閉鎖空間で宇宙飛行士や心理学者、医師など、
選び抜かれたクルーが110日間寝食をともにするという内容です。
この実験では、わずか1ヶ月でトラブル勃発。
耐えられなくなった日本人クルーが
60日でシムブレイク(シミュレーション放棄)をしたそうです。


さらに村上さんは自分が隊長として参加した、
模擬火星基地での実験を紹介。
集められたのは、宇宙飛行士や医師などの専門家ではなく、
アーティストやエンジニア、学生など、ごく普通の人たちです。


この実験では、飲料水が汚染されるという
まったく予期せぬ、深刻なトラブルが起こったそうです。
村上さんは実験の中止を提案しますが、クルーはこれを拒否。
話し合って解決策を見つけたのだそうです。


クルーの中でも、一番冷静に、前向きに
状況を観察できたのがアーティストの男性。
彼は、この実験の後も同様の実験に参加し、
予期せぬ出来事はむしろ歓迎だと発言しています。
驚くことが好きだし、ワクワクするからだそうです。


ここで私個人的なことをお話しすると、
閉所はまったく得意ではありません。
基本的に、昼間は光と風を必要とします。
(夜、地下のバーでも平気なのはなぜだかわかりません)
自由がないと元気がなくなるタイプなので、
閉所では自由が奪われていると感じるからかもしれません。


ちなみに、村上さんによると、閉所では、
「閉じ込められている」と感じる人と
「保護されている」と感じる人に分かれるのだそうです。
なるほど「保護されている」という感覚!
興味深いと思いました。
押入れの中が好きとか、狭い空間にいると落ち着くという人は
保護されている感覚なのかもしれませんね。


うーん、とても興味深い番組でした。


私たちが極地や宇宙空間に行く可能性は高くないかもしれませんが、
日常でも、閉所的な空間に居合わせることはあると思います。
たとえば、ある状況の職場。
締め切り前の殺伐とした空間や、
プロジェクトがうまく進んでいないときの
空気が重く感じられる職場は
閉所に近い空間になるのかもしれません。


そんな状況で、能力を発揮できる人とはどんな人なのか、
この番組を観ながら想像しました。
私が勝手に思う人物は以下のような人です。


まず、自ら望んでその職場やプロジェクトに携わっている人。
次に、フラットな人間関係を築ける人。


ロシアの実験では、望んで集まった、しかも能力がある優秀な人たちが、
最後まで実験を続けられませんでした。
それは「選び抜かれた」「優秀」ということが
邪魔してしまったからではないでしょうか。
私はほかのクルーよりも優秀である、というプライドが
問題になったのではと想像します。


そして3つ目は驚くことや変化が好きな人。
アーティストの男性がそうでした。
トラブルをむしろ楽しめる人。最強です。


普段、自分がどんな空間でどんな距離感で人と接しているのか、
意識して考えることがないので、
いろいろ考えるきっかけになりました。
皆さんはどうですか?
どんな距離感が心地いいですか?
もし閉所に置かれたら、
自分はどんな行動をとると思いますか?
春はもうすぐ。
今週もすてきな1週間を。

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