ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2023年8月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

AdobeStock_585656395.jpeg

先週末、地域の夏祭りの手伝いをしました。

自治会のイベント担当が力を合わせ、
生ビールと焼きそばを提供した2日間。
私は、ひたすら焼きそばをパック詰めしました。
だんだんとリズム良く、うまく詰められるように
なるのが楽しくて、一緒にパック詰めしていた
同じマンションの人たちと掛け声をかけながら、
暑い中でもノリノリで作業できました。

地域の行事に参加する一番の楽しみは、
やはり住人との雑談です。

私が住むマンションは、周囲に自然が多いこと、
小中学校が近いことから子育て世代が多く、
我が家の子どもたちが小学生だった頃は、
マンション中、子どもだらけと言っていいほどでした。
今は子どもが独立した世帯が多くなりましたが、
それでも新たに入居してきた子育て世代もいて、
学校の登下校時には子どもたちの
元気な声が響いています。
なので、自治会の行事に参加すると、
20代と思われる人から70代、80代くらいまで、
全世代が集合します。

お祭りの準備をしながら雑談をすると、
いろいろな情報が飛び交います。

このあたりで初夏にカブトムシが見つけられる場所、
学校のPTA事情、街の拓ストーリー、
迷い猫情報、タヌキ出現情報、さらに、
働く人たちのリモートワーク事情など。

保護者としては、子育てや学校の情報を入手する
チャンスですし、働く立場で考えると、
ある意味、異業種交流会のような場でもありますから、
役立つ情報が入手できます。

Shirabeeが2020年に、
全国の10代から60代の男女1789人に行った
インターネット調査によると、
「雑談が苦手」とした人は44.4%でした。

年代別にみると、苦手度が一番高かったのは、
20代男性。「友だちとはいくらでも雑談できるが、
初対面や目上の人には何を話していいか
わからない」という声が紹介されていました。

友だちと延々と話せるのは、
話題に共通項があることと、
すでにノリが共有できているからだと思うのですが、
雑談のパターンがその一つだけだから
困るのでしょうね、おそらく。
共通項がない場合の雑談の機会が
単純に少ないのかなと想像します。

その点、地域行事へ参加すると
世代をこえて会話ができますし、なんといっても、
独特なジョークも含めた、いろいろなパターンの
会話にふれることができます。

昔は、お正月に親戚が大勢集まる場所に行って、
酔っ払ったおじさんのあまりおもしろくない(笑)
ジョークを聞いたり、おばさんたちのおしゃべり
を聞いたりする機会があったので、
自然と、いろいろな人との会話のパターンが
身についたのだと思うのですが、
今はそんなチャンス、滅多にありません。

地域行事、とくに夏祭りのような行事は
オープンな雰囲気の中、
明るく、適度に酔った人たちと会話できる場。
ああ、こうやって話しかけるんだなとか、
こんな冗談が飛び交うんだな、
ということを知ったり、
その冗談を他の人がどうあしらうのかを
見たりできる大変いい機会です。

そういえば、我が地域の夏祭りは
現金ではなく金券での販売だったのですが、
焼きそばの販売を手伝っていた
20代と思われる住人女性が、
買いに来たおそらく70代の男性の
「金券はないかもしれないけど、
銀券は持っているかもなあ」のジョークに対応できず、
「銀券ですか・・・。あの・・・金券を
買ってきていただけますか?」と言い、
「金券が金色だともっとわかりやすいけどねえ」
にさらに混乱し、
とうとう男性が「ぼく、冗談を言っています」と
打ち明けるシーンを目撃しました。

その後、「冗談だったんですね」と笑い合って
ハッピーに終わったようでしたが、
来年以降も引き続き行事に参加すれば、そのうち
「銀券ならあります」
「じゃ、銀券でいっちゃいましょうか!」
くらいのやりとりになるのかもしれません。
場数って大事ですね。

こうして考えてみると、
リモートワークが多くなって、雑談が減った今、
何気ない、なんでもない会話をする機会が
すごく少なくなっているように思います。
地域行事は、運営側の負担がありますので
催は簡単ではないですが、
住民同士が協力し合って、さまざまな世代が参加し、
会話する機会を増やせればいいなと思いました。

まだまだ暑いですが、
日が暮れるのが早くなりました。
秋がそこまで来ていますね。
体調に気をつけてまいりましょう。

AdobeStock_574691545.jpeg

先日、テレビをつけたら、ニュース番組で
安住紳一郎アナと脚本家の三谷幸喜さんが
会話していました。

いつも思いますが、安住アナの
対応力・反応力はすばらしい。
「うまいなあ」と呟いてしまいます。

この日は、「夏休みに入ると
アウトドアで過ごすことが多くなるから
危険生物に注意しよう」
というテーマで展されていて、
安住アナはフリップを見せながら
「クラゲに刺されるとPGAという物質が
体内に入る。納豆にはPGAが多く含まれるから、
クラゲに刺された人は納豆アレルギーに
なりやすい。そして納豆アレルギーを持つ
サーファーが多いというデータがある」
ということを説明していました。

すると、すかさず
「ぼくはどちらかというと
サーファーアレルギーです」と三谷氏。
安住アナは落ち着いてフリップを置き、
三谷氏に体を向けてこう言いました。
「ほお、おもしろそうな話ですね」。

いや、この切り返し。やっぱり、うまい。

三谷氏のポジションは、以前はたけし氏でした。
たけし氏との生放送でのやりとりは
アナウンサーにとって相当ハードルが高そう。
しかし何かのインタビューで安住アナは、
「台本があって予定通りに進む番組が多い中、
たけしさんとのやりとりは予定通りに行かない。
それが刺激になっている。
視聴者も楽しんでいるのではないか」
と語っていました。

むしろ何が起きるのか楽しみ、という姿勢。
変化球をどこから投げ込まれるのか
ワクワクというところでしょうか。

安住アナの会話のコツ、
どこかに書かれてないのかな。
気になってネットを検索していたら、本を発見。
齋藤孝氏と安住アナの共著『話すチカラ』。
早速、読んでみました。

この本、安住アナが相当勉強していることが
わかる内容でした。当然ですが、プロだなあと。
アナウンサーという仕事に誇りを持って、
話し方、情報のインプット・アウトプットの仕方、
声の調整など、基本をしっかり行い、
日々自分に厳しいダメ出しをしながら
対応力を磨いていることがわかりました。

アスリートでも音楽家でも、
トップにいる人たちは基礎をおろそかにしない。
当たり前のように基本を繰り返し、
その上で、プラスのトレーニングをする。
そういうことだよなあ。

さて、コツの話でした。
変化球に対するズバリのコツは
書かれていませんでしたが、紹介されていた
大事な基本の話し方からいくつかお伝えします。

一つは、「15秒以内で話す」。
人の集中力は15秒も持たないらしく、
15秒以上同じ話をしないのが鉄則なのだとか。

もし30秒あったら、15秒が2セットあると
考えて話題を展するのだそうです。
45秒であれば「序破急」の3分割。
60秒だと「起承転結」の4分割で組み立てる。

これはびっくり。初めて聞きました。
15秒なんてあっという間なのに思いましたが、
よく考えてみると、15秒ってそんなに短くない。
だから15秒以上同じ話をするということは、
「えー、そうですね、あれは昨日でしたか、
あれ、一昨日だったかな、車で出かけたんですけど・・・」
みたいな、まどろっこしいことになります。
なるほど、15秒を意識すると、
何か説明するときもいいテンポになりそうです。

もう一つ。「語尾に曖昧な言葉を使わない」
「~と思います」と話を曖昧にする語尾に
要注意とのこと。

たとえば、リポーターが食べるロケで
「では~を食べてみたいと思います」
と言うシーン、よく見ます。
でも「思います」はその人の心の動きであって、
あなたの心の動きはいいから、
さっさとリポートして思うと安住アナ。
さらに、責任の所在も曖昧になると。

電車のホームでは「ドアが閉まります」という
アナウンスが流れるのが通常ですが、
独自の哲学がある京急電鉄は
「ドアを閉めます」と言うのだそうで、
そこには、「私の責任でドアを閉めます。
はさまれないように注意してください」という
責任のニュアンスがあると言っています。

ああ、これ。ありますね、あります。
言い切ることに慣れていないのと、
なんとなく柔らかくしたいという意識が
働いてしまう。
相手に何か指摘する際に、配慮から
敢えて使うこともありますね。
ただ、「~と思います」表現は多用していると、
慣れてしまう。そのうち、意識もしなくなる。
普段から、場の状況をしっかり把握し、
自分が使う言葉にもっと意識を向けなくては
と感じました。

最後にもう一つ、
「抽象・具体、ワイド・ナローを意識」。

話をするときには、ときに具体的に、ナローに
寄って表現すると、伝わりやすいとのこと。
たとえば、「飛行機で羽田から鹿児島に飛んだ」
よりも、
「羽田空港の13番搭乗口から飛行機で~」
と言えば、具体的なイメージを伝えやすいと。

なるほど。だれかと話していて、
ぐんと引き込まれるときは、
頭の中でシーンをイメージができるからですね。
これは書くときも同じです。
ただ、ずっと詳しい描写を続けるのもしつこい。
使い分けが重要ということでしょう。

長くなってきました。
同書、ほかにもためになるコツが
安住アナ、斎藤先生それぞれの視点で
書かれています。興味のある方はぜひどうぞ。

さあ、来週は8月。暑すぎますね。
体調整えてまいりましょう。

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ