ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2021年10月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

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コンクールというものを覗くのが好きです。
今年は、夏からショパンコンクールに
どっぷりはまりました。

私は子どもの頃に少しピアノをかじったくらいですし、
しかもやめた理由が「練習が嫌いだったから」なので、
専門的なことはよくわからないのですが、
ショパンの音楽はずっと好きで、
5年に一度開催のこのコンクールは
毎回とても楽しみでした。

しかも今回は全演奏がYouTubeで配信され、
連日、大興奮の日々を送りました。
先週発表された結果はニュースでも
大きく報道されましたね。
ファイナルには反田恭平さんと小林愛実さんが
進んでいましたが、お二人とも入賞。
しかも反田さんは2位でした。
いやあ、すばらしい!

さて、私のような素人でも、
ずっとピアノ演奏を聴いていると
同じ種類のピアノでも弾く人によって、
全然違う音が出ることに気づきます。

同じスタインウェイというピアノでも
Aさんが弾く音とBさんが弾く音が違うのです。
手の大きさや指の太さや長さ、体格など、
身体的な特徴によるものだとは思うのですが、
どこまで細かくタッチにこだわるかということでも
音に違いが出るのかもと想像しました。

たとえば、反田さん。
弱い音が本当に弱く、強い音はドラマチックに強く、
一音一音キレキレなのに柔らかいという
とてもすてきな演奏でした。
指先まで意識して細かくコントロールして
いるのだろうなと思いました。

指先まで意識することで思い出したのが、
現在、新国立バレエ団の芸術監督をしている
吉田都さんの英国ロイヤルバレエ時代の
ドキュメンタリー番組。

同じバレエ団の仲間が、
「都はトウシューズで着地するときにほとんど音がしない。
アメージングだ」というようなことを言っていて、
その理由が、都さんは足の指一本一本を
動かせるからだというんですね。
番組内で実際に指を動かして見せていましたが、
足の先まで細かくコントロールすることが
踊りの質の向上につながっていると言っていました。

ピアノでもバレエでも、
それ以外のいろいろな世界でも、結果を出す人は
やはり細部まで神経を行き届かせて
仕事をしているのだと思います。
そしてその細かなこだわりが差を生むんだろうなあ。

社会では、アジャイルというワードを
耳にすることが多くなりました。
速さ、俊敏さがますます求められる時代です。
でも、ワードばかりが一人歩きして、
どうやってこれを実現するかはぼんやりしている印象。
単純に仕事を速くすることを考えると、
今まで細かく気を配っていたことをやらないなど、
雑にやる、という方向に走ってしまう可能性もあります。

でも、そもそもなぜアジャイルなのかというと、
競争に勝っていくためなのだと思います。
すると、勝つための差を生まなくてはならない。
そして差はやはり細部に出てくるのだろうと思うのです。
雑にやるのではなく、細部までしっかり仕事をし、
全体のプロセスの組み方や
周囲との連携の仕方を工夫して
アジャイルを実現することが必要なのだろうと思いました。

さて、秋も深まってまいりました。
私はショパンコンクールに影響されたので、
ただ所有していただけの楽譜を引っ張り出してきて
まだしばらく芸術の秋を続けたいと思います。

体調に気をつけて、秋を楽しんでまいりましょう。

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ほしい情報がすぐに手に入る時代。
何か一つ買うにしても、どこで買うのがお得か、
いつ買うのがお得か、
ネットで調べるとすぐにわかってしまいます。

でも、簡単に情報が入手できるからこそ、困ることも。
それは、調べても、調べても、
「もっと調べれば、もっとお得な情報に
巡り合うのではないか」と思ってしまうこと。
私は、面倒なので、ほとんど下調べせずに、
ささっと買ってしまうことが多いのですが、
私のその行動が、じっくり調べてから買い物をする
友人にはあり得ないらしく、
「もっとリサーチしたら、もっと安く買えたと思う」
とよく言われます。

では、その友人がいつも大満足の買い物をしているか
というとそうでもないのです。
というのは、買ってからも
「もっと探す時間があったら、ベターな選択があったかも」
と思ってしまうから。

もっと探せば、ベターな選択があるかも。
そりゃ、そうだと思う一方、
いや、もっと選択肢があったら、
決められないのでは?とも思います。

そのとき思い出したのは、以前雑誌で目にした
女性タレントのインタビュー。
クローゼットに入りきらないくらいの服や靴を
持っているにもかかわらず、買っても、買っても
「今日着る服がない」
「今日のコーディネートに合う靴がない」
と毎日思う、と書いてありました。

選択肢を増やせば増やすほど、
どの選択肢も選べなくなってしまい、
選択した後も、満足しないという現象を
行動経済学では「選択のパラドックス」と言うそうです。

通常、選択肢が多いのは、選択の自由度が高い
ということなので、幸福度が上がると考えられますが、
選択肢が多すぎるのは逆に不満足につながってしまう
ということなんですね。
それはなぜかというと、選択肢が多いと、
自分が選んだ選択肢以外の選択肢にベストなものが
あったのではないかと後悔してしまうから。
そして、それほどたくさんの中から選んだのだから、
自分が選択したものはすばらしいものに違いないと、
期待値を必要以上に高めてしまうからだそうです。

人気ブロガーのミニマリストしぶさんは、
服も靴もバッグも3種類に絞っているそうです。
色も3種類に決めているので、
古くなって、新たに購入するときも、
その3色から選ぶのだとか。
さらに、休日のアクティビティーも、たとえば
「片付ける」「読書をする」「岩盤浴」をするなどの
3種類に決めているそうです。

そうか。私、ミニマリストの方々は、
選択にかける時間を節約しているのだと
思っていたのですが、それだけではなくて、
選択肢が多いことから生まれる不幸から
逃れていたのか、と気づきました。

選択のパラドックスは、
相手に何かを提案するときや、
相手に選択してもらいたいときにも
意識すべきことですね。

「なんでも思いついたことを言ってください」
と言われた人はおそらく困るけれど、
「~について、なんでもすきなことを言ってください」
と選択肢を狭めると発言しやすいでしょうし、
「20種類の中から選んでください」
だと、相手は迷ってしまいますが、
「3種類の中から選んでください」
は満足度を高められるのではないでしょうか。

私のこのメルマガも、「何を書こうか」と
ネタジャーニーを始めてしまうと、
延々と情報収集を続けてしまいがち。
しかも、情報を入手すればするほどピンと来ず、
もっといいネタはないかとさらに探すことに。
そもそも最初にメッセージを思いついていないときは、
ネタを探してもピンとくるわけはないのですが、
それを忘れて延々とネットの記事を読んだりしてしまい、
エンドレスジャーニーになります。
選択のパラドックス、意識しようと思います。

早いものでもう10月。寒くなってきましたので、
体調に気をつけてまいりましょう。

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