クリエイティブであるために
子どもたちの夏休みが終わりました。
暑すぎて、あまり夏休みっぽいことをしなかったなあと思いながら、
テレビのチャンネルを回していたら、やっていました、
スティーブン・キングの『IT イット』。
夏と言えば怖い話。
怖いと言えば、スティーブン・キングです!
『IT イット』はもちろん、
『キャリー』といい、『シャイニング』といい、
本当に怖い。じわじわ怖い。
どうやってストーリーを考えているんだろう、
と思ってしまいます。
スティーブン・キングが発想について答えているインタビューがあります。
それによると彼は
「作品のアイデアを得るためのよい方法などない」としたうえで、
「アイデアは、何でもない場所にある。
空からあなたを目指してやってくることもある。
一見、全然関係がないような2つのアイデアが一緒になって、
新しいものを作ることもある。
やるべきことは、
そのアイデアを見つけることではなく、
それらが姿を現したときに気づくことだ」
と述べています。
アイデアというわかりやすい形になっているものを探すのではなく、
アイデアになり得るものに気づけ、ということでしょうか。
なるほど、と思いました。
『クリエイティブの処方箋』という本には、
画家や建築家、映画監督や作家などの発想法や
クリエイティブでいるためのコツやこだわりが書かれています。
たとえば、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督は、
クリエイティブであるためには
「思い切って切り捨てる」
ことが必要だと言っています。
同監督が手がけた大作『地獄の黙示録』は、
撮影に16ヶ月を費やし、
膨大なフィルムを使用したといいますが、
なんと編集段階で95%を切り捨てたそうです。
「もったいない!」と思いますが、
クリエイティブのためにはそれも必要なのでしょうね。
これは、文章を書くときや、企画を立てるときも同じだと思いました。
どうしてもまとまらないときは、
スパッと切り捨てる勇気もなくてはいけませんね。
作り出した世界にどっぷりと浸かり、
何度も確認し、手直しすることによって、
最高のクリエイティブを目指す人もいました。
『華麗なるギャッツビー』の作者、F・スコット・フィッツジェラルドです。
執筆中のフィッツジェラルドは物語を呼吸し、
物語を生きたそうです。
来る日も来る日も読み返しては、
納得のいくまで書き直し続けたと本にはありました。
仕事の中では、この姿勢も必要ですよね。
いったん書いた原稿や、いったんまとめた資料はすぐに提出するのではなく、
時間を置いて目を通してみる。
すると、書いているときには気づかなかったところが見えてきたりしますよね。
『クリエイティブの処方箋』には、
さまざまな発想法やクリエイティブの保ち方が書かれていましたが、
大切なことは、
「自分はクリエイティブだ」と信じることなのかなと思いました。
信じていないと、高いレベルには近づけない。
必ず「できる」と思うことが必要ですね。
手持ちのカード、自覚していますか?
メルマガのネタ探しのために、ネットをのぞいていたら、
おもしろい記事に出会いました。
桃山商事というユニットによる恋愛コラムです。
ユニットのプロフィールを見ると、
「2001年に結成後、1000人以上の恋愛相談に乗ってきた恋バナ収集ユニット」
とあります。どうやら男性5~6人ほど(普段はサラリーマンをしつつ、の
人もいるみたいです)で構成されているようです。
私が読んだコラムは、日経ウーマンオンラインに掲載されていたものですが、
相談者からの悩みを論理的に分析し、軽快な文章でアドバイスしていて、
すごく楽しく読めました。
あ、恋愛の話をしたいわけではないのです。
コラムを読んでいて、多くの恋愛の悩みが
コミュニケーションに関するものだと気づき、彼らのアドバイスが、
つき合っている男女間のみならず、上司と部下、クライアントとの関係など、
広い場面で役立つと思ったのです。
たとえば、こんな悩みが取り上げられていました。
「駆け引きが苦手です。男性から下に見られないようにするための、
具体的な恋愛テクを教えてください」
この悩みに対して桃山商事の清田代表は、
下に見る、もしくは見られる、という関係にならないことが
重要だと言っています。
相手が自分を下に見ているとしたら、それはすぐに伝わるもの。
そんな相手と気持ちがよい関係は築けない。
また、相手も、下に見ているような相手ともう一度会いたいとは思わない、と。
そうですね。上下関係を気にすると、とたんにギクシャクしますし、
そんな状態では信頼関係は生まれないですね。
それは、つき合っている男女間でも仕事関係でも同じだと思いました。
では、上下関係にならないためにどうすればいいか。清田さんのアドバイスは、
初対面の会話での「手持ちのカードを自覚しておくこと」でした。
手持ちのカードとは「自分を形作っているもの」や「自分が好きなもの」
ぐらいの意味だそうです。
たとえば、「本」「映画」「キャンプ」「サッカー」など。
これらの自分のカードを、相手との会話の流れを見ながら、どんどん出していく。
相手は持っていないけれど、興味を持ちそうな自分のカードを
見つけることができれば、なおよいそうです。
こうして自分のカードに意識的になると、なぜいいのか。
それは、相手との間に生まれる、直感力や発見力が上がるからだ、と
清田さんは解説しています。
「カードを出し合いながら、自分との共通点を見つけていき、深める。
仲良くなるためにはポジティブな記憶を共有するのが一番の近道ですから」
だそうです。
相手に気に入られたいとか、仲良くなりたいという思いが強いと、
どうしても「相手は何に興味があるだろう」とか
「何をすれば相手に気に入ってもらえるだろう」ということだけを考えがち。
でも、相手のことを知らないのに、相手が何に興味があるか想像したところで
限界はあります。
それに、「気に入ってもらいたい」というところで、
すでに関係がフラットではなくなっていますよね。
そうではなくて、まず自分のカードに意識的になり、
自分を知ってもらうというところは、なるほどと思いました。
こうすることで、上でも下でもない、
フラットな関係をスタートすることができるんですね。
さらに、カードの出し合いで、共通点が見つかり、話が盛り上がってきたときに
気をつけたいのは、「相手の話を読解しながら聞く姿勢」だそうです。
「話を聞く際に最も大切なのは、オーバーなリアクションでも、
キレのあるツッコミでもありません」と清田さん。
「人は、自分の発した言葉が相手にちゃんと伝わっていることが分かれば
安心します。だから聞き手としては、相手の話を読解しながら聞くという姿勢が
大事だと思います。一つひとつ丁寧に理解・確認していき、
分からなかったらその都度質問するようにしましょう。
そうやって会話を積み上げていけば、3回目、4回目と会うためのきっかけが
自然と見つかるのではないかと思います」とアドバイスしています。
なるほどですねー。
みなさんはどんなシーンを思い浮かべながら、読まれたでしょうか。