ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2016年10月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

少し前のことになりますが、
中学生のSNSに関するアンケートを見ていて、
「イカン」と頭を抱えました。


「学校の自分は本当の自分ではない」
「学校で面と向かっていろんなことは言えないけど、SNSなら言える」


フェイスtoフェイスのリアルな対話がどんどんできなくなっていく。
これは困ったことです。


SNSのせいだ、と言いたいところですが、そうでもないなと思いました。
SNSがなかった私たちの世代もやはり、意見を交わすこと、
意見が飛び交う場にいること自体が嫌だと感じる人が多いな、
と思った出来事があったのです。


数年前の小学校の懇談会のこと。
その頃、クラスの男子数名がちょっとした「悪ふざけ」をして、
そのことが話題にのぼりました。
私はその内容から「悪ふざけ」と解釈していましたが、
先生が「いじめ」と言ってしまったことで、
事が大きくなっている感じはありました。


実は、うちの子は、立場的にはその悪ふざけの被害者だったのですが、
報告を受けたときに本人も笑っていたし、
関わった子どもたちも全員知っている子だったので、
私は「あ、こりゃ、おふざけが過ぎたな」と思っていました。
ただ、少々危ないことだったので、
そのことについてはしっかり家で叱りました。


さて、懇談会。
先生は新任の先生で、
「いじめ」が起こった、とパニックになっているようだったので、
私はそのことについて思っていることを言いました。
うちはやられたほうだけれどもいじめではないこと、
おふざけが過ぎちゃったこと、
でも危ないから叱ったこと、
学校でも危ないこといついては注意していただきたいこと。


実はその頃、クラスに落ち着きがなくて、
あちらこちらでいたずらが起こっているということも聞いていました。
低学年なので、
クラスがもっと楽しくなるようなしかけをするのもよいのでは?
という提案もしました。
上の子のクラスは、
給食のときに誕生日の子のところに牛乳で乾杯しに行っていて、
盛り上がってますよ、と。


出来事に関わったお母さんたちも同じような意見で、
クラスを良くするためのほかの意見も出ました。
先生も緊張がとれて笑顔になって、
「いい懇談会でしたね」ということで終わりました。


ところが後日、
ほかのクラスの保護者からこんなことを言われました。
「1組の懇談会、荒れたんだって?」
「めちゃくちゃクレームしていた保護者がいたんだって?」
聞けば聞くほど私のことなので、
「あ、それ私だ。でも意見はしたけど、全然クレームしてないし、
いい懇談会だったと思ったけど(笑)」
そのお母さんは言いました。
「しかし、よく発言するよねー。私、懇談会で発言したことないよ」


確かに、あの懇談会はちょっと長かった。
さっさと終わらせて帰りたかった保護者にとっては、
迷惑であっただろうなとは思うのですが、、、。
でも、子どものクラスを良くしようという話し合いだったのになあ、
と思いました。


それにしても、最近、
意見=クレーム
議論=けんか
にすぐに置き換えられちゃうな、と様々な場所で思います。


なるべく波風立てずに、平和に済ませたい、、、
ということだとは思うのですが、
それじゃ何も言えなくなるし、言いたい気持ちも失せるし、
そのうち言いたいことすらなくなって、
感情もよくわからなくなるような気もしてきます。
感情がなくていいなら、ロボットでよくなっちゃう!
と思ったら、Pepperがもう感情を持っているらしいですね。


人間、がんばらなくちゃ!

先日、中学校の先生からこんなことを聞きました。
「最近の子どもたちは、思ったことをすぐに口に出す。何でも聞いてくる」


あ、うちの子どもたちだけじゃないんだ、と思いました。


たとえば怒られている時。
私が子どもの頃は、
(相手が怒っているんだから、ここはお説教が終わるまで黙っておこう)
などと思って、訳がわからなくても聞いているふりをしたりしていましたが、
彼らはそんなことはしません。


「じゃ、○○なときはどうするの?」
「でもさ、それはわかったんだけど、○○はだめなの?」
「○○なときだってあるじゃん」


屁理屈を言うな!と言いたくなりますが、屁理屈でもなかったりします。
ただ、やはり、この場はまず相手の話を聞いておこう、という考えがない。
幼稚園児か!と突っ込みたくなることもありますが、
あきらめて徹底的に疑問に答えていくしかありません。


元ヤクルトスワローズの古田敦也さんが
マネジメントを語っているインタビュー記事にこんなことが書いてありました。


「最近の若い子は、インターネットなどで知識を得ているので、
『この練習に意味があるんですか?』
『ダルビッシュはこう言ってますが?』
なんて平気で聞いてくる。自分の意見があるんですよ。
そんな彼らに、『とにかく走っとけ』と言っても、なかなか理解されません。
ただ、いったん納得すると本当に一生懸命努力します」


なるほどなあ、と思いました。しっかり納得したいんですね。
うちの小中学生も、野球選手もそうなのですから、
若い世代に共通する現象なのだと思いました。


それにしても、指導者は大変です。
一人ひとり個性が違うのですから、納得させるのは簡単ではありません。
古田さんは、相手がどのような考えを持っていて、
どんな人に憧れているのかをおさえておくことが大事だと言っています。
そうすると、相手に刺さるアドバイスができるのだそうです。


そのために、彼らのフィールドに下りて、
コミュニケーションをとることを心掛けていたと言います。


「ヤクルトには娯楽室にゲーム専用のテレビがあったんです。
当時はサッカーゲームが流行っていたんですが、そこで選手と一緒にプレイしました。
すると、マウンドでは『はい』しか言わない選手が、
『おらおら、逃げんのか?』とか言ってくる。
びっくりして、『俺に言ってるの?』と聞きたくなったりしますけど(笑)」


ゲームをしながら、野球の話をし、
相手の考えを聞くのは、大変効果があったそうです。


こうして相手の思考を知り、こいつにはイチローだなと思う選手には
「イチローが言ってたよ」と言うと、
途端に素直になって言うことを聞いてくれることも多かったとか。
古田が言っている、、、で、納得してほしいところですよね。監督は大変です。


スポーツの現場に限らず、
今の指導者は相手にしっかり納得して動いてもらうために、
相当努力しなくちゃいけないようです。
でも、考えてみると、わかったふりをしてとりあえず動く人より、
納得するまでに時間はかかるけれども、いったん納得すると、
一生懸命努力してくれる人のほうが頼りがいがありますね。


よーし、今週もがんばりましょう!

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