ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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『挑戦・やってみる』カテゴリの記事

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「人よりほんの少し努力することが
辛くなくて、ほんの少し簡単にできること。
それが君の得意なことだよ。
見つかったら、それにしがみつけ。
そうすれば必ず道は開くよ」


NHKの朝ドラ『エール』で
主人公・古山裕一が通う小学校の教師が
裕一にそう言っていました。


運動がまったくだめで、緊張すると吃音が出てしまうため、
先生に怒られ、仲間からもいじめられている裕一。
得意なことをたずねられても
「ない」と答える彼に、先生がそう声をかけたのです。


先生の一言で、裕一は未来に光を見出していきます。
そして、後に、
高校野球のテーマ「栄冠は君に輝く」や、
「オリンピック・マーチ」など、
心に響く数々の名曲を生み出すのです。


ああ、いい話。
そして、主人公の裕一はラッキーですね。
作曲家になったのは、
もちろん本人の努力があったからですが、
子どもの頃に自分の得意なことが見つけられ、
背中を押してもらえたのですから。


さて、私も得意なことを考えてみました。
うーむ。もしだれかから「得意なことは?」と聞かれたら、
「ないかなあ」と答えるかもしれないと思いました。
好きなことはどっさりあるけど、
得意なことかって言われると、
どれもそこまでではないと思ってしまう。
それは、得意なことというものを、
人よりも数倍上手なこと、と捉えているからかもしれません。


でも、『エール』の先生が言うように、
「人よりほんの少し努力することが
辛くなくて、ほんの少し簡単にできること」
と捉えると、
私の場合、書くことはそれに当てはまるかもしれないと思います
(正確に言うと、簡単にはできていないんですが)。


得意なことが「ある」と捉えるのと、
「ない」と捉えるのとでは、
毎日のエネルギーが違ってきます。
多少へこたれることがあっても、
「得意なことがある」と思えば、
乗り越えていけるのかもしれません。


ここで思い出したのは、片付けコンサルタントのこんまりさん。
今や世界のこんまりです。


こんまりさんは子どもの頃から
片付けが大好きで、自分のものはもちろん、
家族のものも、どう片付けるとよりきれいで、
取り出しやすいのかを日々考え、
仕切りなどを使って、収納をテストしていたりしたのだそうです。
それが最高に楽しかったとインタビューで語っていました。


これは完全に「得意なこと」です。
片付けが得意なところで・・・と、
普通なら思ってしまいそうなところ、
こんまりさんは本当にその道に進んでいきました。
『エール』の先生風に言うと、
「得意なことにしがみついて、道を開いた」ことになります。


「人よりほんの少し努力することが
辛くなくて、ほんの少し簡単にできること」
皆さんの得意なことは何ですか?

歌手のマドンナが髪の毛をピンクに染めたことで、
彼女のインスタに批判が殺到している、
というニュースを読みました。


批判の内容は、
「いい年齢して」ということらしいです。
マドンナでもそんなこと言われちゃうんですね。
ミック・ジャガーも「いい年齢なんだから」って
言われたりするのかなあ。
スターは大変だな、と思いました。


私は、年をとっても自由にやっている人を見ると、
とても清々しい気持ちになります。
もちろん世間に迷惑をかけているのは困りますが、
いつまでも、キラキラ活動的な人はステキ。
「ああ、こんなふうにパワフルでありたいな」と元気をもらいます。


週末観た映画
『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
のヴィヴィアン・ウエストウッドもその一人です。
そろそろ80歳になる彼女は、
現役のファッションデザイナーで、環境アクティビスト。
やりたいことに向かって突き進み、妥協しません。


映画の中で、彼女は
行動のモチベーションは「未来への危機感」だと語っています。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは、
実は、パンクファッションの生みの親です。
70年代、当時のパートナーがロンドンで
経営していたブティックから
パンクムーブメントを作り出しました。
「このまま古い価値観で支配されてはいけない」
という思いからでした。


そんな彼女です。
いつの時代も批判とともに生きてきました。
のちに自らのブランドを立ち上げたときも、
伝統的なタータンチェックを
アバンギャルドなファッションと合わせたことで、
とくに高齢者から猛批判を浴びました。


映画には、当時のテレビ番組に彼女が
ゲストで出演している様子が収められているのですが、
司会者も会場の観客もまあ見事に彼女を嘲笑っています。
さらに、司会者は
「あなたはこれをまじめにかっこいいと思って
デザインしているのですか?」と聞く始末。
大声で抗議してもよさそうな雰囲気ですが、
ヴィヴィアンは、冷静に
「ええ、かっこいいと思っています」と答えていました。
むむー、大物。


いつの時代でも、新しい風を起こす人は批判されるものです。
新しいことをする人、夢に向かっていく人を
引き止める人たちを心理学では、
「ドリームキラー」というそうです。


認知科学者の苫米地英人氏によると、
ドリームキラーには、
善意のドリームキラーと悪意のドリームキラー
2種類が存在するそうです。


善意=無意識的なドリームキラーは、
身近にいる、変化を敏感に感じる人、
たとえば、家族、先生、上司、同僚などに多いそうです。
失敗してほしくないという心配から
挑戦に対し、「やめておきなさい」と言うのだそうです。


一方、悪意=意識的なドリームキラーは、
将来の夢を語られると、この人は私よりも
幸せになるかのしれないと感じ、
妬みや嫉みを抱くのだそうです。
TVで成功している人を見ると
SNSで悪口を言ったりする人は、このタイプだそうです。


そして、どちらのタイプのドリームキラーにも
共通していることは、
自分のコンフォートゾーンが崩れるという
危機感を持っているということです。


人間は、恐怖を感じる空間に身を置くと
不安な気持ちになり、
すぐにでもその場から離れるという行動を取る一方で、
心地よいと感じる空間に身を置くと安心し、
常にそれを維持しようとします。
この、苦痛や不満を感じない空間や領域を
コンフォートゾーンというそうです。


身近にいる善意のドリームキラーの場合は、
たとえば、あなたが新しいことに挑戦すると、
「失敗してしまうかもしれない」
「私が知っているあの子では
なくなってしまうかもしれない」
という恐怖を感じてしまい、
「やめたほうがいい」と言ってしまう。
そうすることで、コンフォートゾーンに
変化が起こるのを防いでいるのだそうです。


そして、悪意のドリームキラーもまた
コンフォートゾーンの乱れを防いでいます。
あなたとの関係は、今の状態が快適だと感じているので、
あなたが成功したり、有名になったりして、
コンフォートゾーンが変化するのが嫌なのです。


なるほどなあと思いました。


さて、では、こうしたドリームキラーにどう対処するか、
というと、


一つは、自分のコンフォートゾーンを広げることだそうです。
え?  そんなに簡単にできるの?
と思いますが、
やりたいことに集中して、
常にワクワクできる状態を作れば、
確かに周りのことはそれほど気にならなくなるかもしれません。


二つ目は、自己評価を高めること。
自分の能力を信じて、できると思って進むことだそうです。


最後は、ドリームキラーには夢を語らないこと、だそう。
うむ・・・。これはそうですね。
細かく語れば語るほど、邪魔されると思うと、
語らないほうがいいですね。


これら3つの対処法を見て気づきました。
すべて自分サイドでできることなんです。
相手を説得したり、相手をどうにかする、
ということではありません。
そうかあ。
相手を変えることはできませんものね。
「ああ、心配してくれているんだな」
「私、有名になってきたのかな」
くらいに思っておけばいいのかもしれません。


ちなみに、マドンナは、
「おだまり!」的なリアクションを返していましたが、
それはそれでマドンナらしくて、
よいと思いました。


緊急事態宣言が解除になりました。
とはいえ、まだまだ気をつけていきたいですね。
今週もすてきな1週間を。

先週、家の近くの桜並木が満開になり、
風が吹くたびに、たくさんの花びらが空に舞っていました。


外を歩く人は少ないのに、桜は思い切り咲いて、
はい、終わり!というふうに散っていく。
ためらいがないというのか、潔いというのか。
なんだか、いつもの桜よりも、かっこよく見えました。


そう思うのは、たぶん、今の社会が
混乱しているからだろうと思います。
見えない敵がどこにいるのか、
いつ姿を消すのか、まったくわからないまま、
ひたすら戦っている私たちは
常に緊張を強いられています。
いつの間にか、大変なエネルギーを消費しているようにも思います。


こんなときは、おそらく従来と同じシステムで
考えていてはいけないのだろうと思います。
まったく新しい発想が必要です。
でも、、、
こんなストレスがかかっている時に、
新しいことはなかなか思いつきにくい。


それに、もし仮に何か思いついたとしても、
「失敗したらどうしよう」
「批判されたらどうしよう」
と、躊躇してしまうかも。
そうなると、思考がネガティブになっていき、
「うーん、だったら今までのままでいいか」
「たぶん、だれかがやってくれる」
と、あきらめてしまったり。
再度「いや、待てよ」と思ったり。
なかなかスパッと実行できなそうです。


「人のひらめきに個人差は大してありません」
というのは、脳科学者の中野信子氏。
「思いついたことを進めていくことこそ
重要なのですが、それを実行していくトレーニングを
私たちはあまり受けていないので、
他人から笑われたり、批判されることを恐れて
自分でアイデアを潰してしまうことが多い」
と話します。


では、どうやったら実行できるのか、というと、
「こんなこと思いついたけど、すごいと思わない?」と
すぐに口に出すことだ、と中野氏は言います。


周りのだれかが「それ、私もそう思ったよ」と
思うかもしれませんが、気にしない。
「これ、すごいでしょ?」と言った人の勝ち。
「すごいでしょ?」と言って回って、
動き回って「こういうふうにしようよ」と働きかけていくと、
いつの間にか実行に移っていくものなのだそうです。


そうですね。
躊躇せず、思いついたことを言うことが大事。
こんな時に? ではなく、こんな時こそ。


そんなふうに考えると、
半分散ってしまっても堂々としている桜が、
ますますかっこよく見えてきます。


4月になりました。
まだまだ落ち着く気配がありませんが、
みなさま、どうぞご自愛ください。

世界価値観調査によると、
日本の20代の「クリエイティブ・冒険志向」は
59カ国中、最下位なのだそうです。


しかし一方で、アドビが行った別の調査では、
世界5カ国計5000人が選んだ「最もクリエイティブな国」は日本でした。


クリエイティブだと認められているのに、
「いや、そんなことありません」
という状況。どういうことなんでしょう。


私の勝手な推測ですが、
もしかしたら、一つ目の調査は、日本人の特徴である「謙遜」が
強く回答に出ていて、
「当てはまる、と言い切るほどでもないし、
多少当てはまる、でもないから、
当てはまらないにしておくか」と
控えめに答えているのかもしれませんし、
2つ目の調査は、
漫画やアニメなど、一部の日本発の作品が
世界的に見るととても独創的で、
ものすごくクリエイティブだと評価されているので、
日本=クリエイティブに
つながっているのかもしれません。
ただ、その一部の作品も
日本から生まれているわけなので、
やはり日本にクリエイティブを生む素はあるのでしょうね。


それにしても、
この2つの調査を見て私が感じるのは、
「もったいない」という気持ち。


本当はすごい力を持っているのに、
謙遜して使わないままでいるのか、
それともすごい力を持っていることに気づいていないのか、
今はまだ力はないけど、
これからつけられる可能性があると思っていないのか。
いずれにしても、もったいない。


これはもしかしたら、
日本の社会が失敗に厳しいということとも
関係しているのかもしれません。


最近、「失敗したら終わり」感が
社会に広がっているなあと感じます。


うちの長男も中学時代、
どうでもいい小さなことでも(そう表現するのもなんですが)、
あまりにトライしなかったので、
「とりあえずやってみればいいじゃん」と話したら、
「失敗したらどうする?」と言うので、
「いいんじゃない?それでも。たいしたことないから」と伝えると、
「だめだよ。先生から、失敗したら終わり、って、いつも言われている」
と返してきました。

確かに、失敗したら終わりのことはあります。
特に中・高生が陥りがちなSNSトラブル。
軽い気持ちで書いた文章を読み返すこともせずに投稿して、
取り返しがつかない事態を招く、ということは少なくありません。
でも、なんでもかんでも、
失敗したら終わりじゃない。
失敗は絶対にできない!と思っている若者が多いとしたら、恐ろしい!


そう思って、ちょっと調べてみたら、
「新入社員の8割が失敗することに不安を感じている」
という調査結果を発見。
個々の回答を見ると、
「失敗は恥ずかしいから」
「失敗すると気分が落ち込むから」
「失敗を背負いきれないから」
などの声があります。


むむむ。
クリエイティブは、挑戦しないと生まれないし、
まったく失敗のない挑戦なんてないので、
これでは新しいものは生まれないと思ってしまいます。
社会が大きく変わらないといけないのかもしれません。


一方で、挑戦に向かって、自分でもできることがあります。
それは、劇作家の鴻上尚史氏が言っている方法で、
「自分は、たまたまタイムマシンに乗って
10年後から戻ってきた」という設定を作ること。


たとえば本当は50歳なんだけど、
たまたま40歳に戻ってこられた、と思い込む。
そんなふうに思えば、
挑戦したいことがあってなかなかできない人も、
何をしたいかわからないけど何か変えたい、と
思っている人も、今すぐに動くことができるはず、と、
鴻上氏は言っています。


確かに。
10年後、「あのとき始めておけばよかった」
と感じるかもしれないことを始められる。
「ラッキー!」とさえ思えてきますね。


皆さんはいかがでしょう。
10年後から戻ってきました。
さあ何を始めますか?

「大人は大変そう」(89.3%)
「大人は疲れている」(93.6%)
「大人は楽しくなさそう」(68.5%)
「大人は暗い」(61.8%)
「大人は尊敬できない」(53.6%)


ソニー生命が今年、
全国の中高生を対象に行った調査結果です。
とほほ、、、


彼らの目に映っているこうした大人の姿が
影響しているのでしょうか、
将来についての回答はこうです。


「自分の将来、10年後は明るい」(45%)
「日本の将来、10年後は明るい」(26.4%)
「世界の将来、10年後は明るい」(29.4%)


こうなりますね、、、 もう、大人として申し訳ない気持ちです。
でも、もしかして、これ、
日本や世界の将来は明るくなくても、
自分の将来は明るいと思っている、ともとれる?


続いて、カッコいいと思う大人と、
将来なりたい職業についてを見てみました。


「好きなことに打ち込んでいる大人は
カッコいい」(56.3%)


将来なりたいのは、
「ITエンジニア・プログラマー」(男子1位)
「会社経営者・起業家」(男子2位)
「YouTuber」(男子3位)


「へえー」と思いました。
2位の会社経営者・起業家は、
昨年のTOP10圏外から急上昇のようです。


とは言え、です。
全体的な調査の数字を見ると、
やはり、思っていた以上に、
多くの大人は若者に夢を与えられていないです。


彼らにとっての大人とは、YouTuberではなく、
普段目にしている大人。
そんな大多数の大人が、とにかく疲れている。
もちろん、楽しそうに見えない。
もしかしたら毎日、子どもたちの前で「疲れた」と
つぶやいてしまっているのかもしれませんし。
だから、好きなことに打ち込んでいる
一部の大人はカッコいいと思うのは当然。
大人だってそう思います。
若い世代にとっては、なおさらですね。


こうなってくると、
「やはり大人が夢や目標を持たないと」
という気持ちになります。なんとか、
「楽しそうな姿を見せなければ」と。


でも、夢や目標は、なかなか簡単に持てるものではないですね。
そして、この設定が進まないと、
一歩を踏み出せず、結局、取り組めない、
という結果になってしまいます。


シンガーソングライターの米津玄師氏は、
「好きなことに打ち込む中で、目標が見えて来る」と
インタビューで語っています。


次々にヒットソングを生み出し、
今や小学生から大人まで、幅広いファンを持つ米津氏。
もともとは、ボカロ(ボーカロイド)用に
楽曲をメイキングし、活動していましたが、
ある時から、自分の力を試したいと思うようになり、
メジャーデビューを決めたのだそうです。


「好きなことに没頭する中で、人との係わり方を学んだし、
次にやりたいことも見つかった。
夢はそんなふうに見つかるものだと思う」


このインタビューを見たとき、
ああ、そんな感じでいいんだな、と思いました。
大人になると、どうしても先に夢や目標を
設定しなくてはならないと
思ってしまいがち。でも、やりながらでいいんですね。


さらに、「好きなことを見つけなきゃ」と
焦る必要もなくて、
何となく目の前にあるものに手をつけてみて、
好きがどうかは、後から考えればいい。
とにかく何でもやってみることが大切だと思いました。
そう考えると、何かを始めるための
ハードルが低くなりますね。


若者にとって、魅力的な大人であるために、
皆さんは何から始めますか?

先日、次男にサッカー選手のカードを
次々と見せられ、名前を答えるよう言われました。


以前は次男よりも私のほうが詳しかったので、
「余裕!」と宣言したのですが、
いざ始めてみると、顔もチームもポジションも
出身国もわかるのに、なんと名前だけ出ない。
「最初の一文字だけ教えて」とお願いして、
ようやく名前が出るという状況で、
次男に「覚えてないじゃん!」と言われる始末。
これはいかんと焦りましたが、中年だし仕方ない!と開き直りました。


ところが後日、
「20代も60代も記憶力には大差なし」
という記事を見つけました。


精神科医の和田秀樹氏によると、
人は覚えた20分後には42%を忘れ、
1時間後に56%、
1日後に74%忘れることを示した
あのエビングハウスの忘却曲線で見る限り、
年齢差はないのだそうです。


ではなぜ忘れるのかというと、
単純に若いころのように復習していないからだと
和田氏は指摘しています。


確かに。
私の場合、以前は頻繁にサッカーの試合を
テレビで観戦していましたが、
ここ数年は時間がなくて
ほとんど観ていませんでした。


和田氏によると、中高年で低下しがちなものは
記憶よりも「意欲」なのだそうです。


その要因の一つが前頭葉の老化。
前頭葉は感情のコントロールや創造性、
怒りや不安の処理を司っており、
この部分が老化すると意欲を維持できず、
学ぶこともしなくなるといいます。


そこで、すすめているのが前頭葉を使う生活。
どうするのかというと、
日々少しでも「想定外」のことが起こるようにするのだそうです。
そのためには、何かイベントに参加したり、
株式投資や語学など
何か新しいことを始めるのがいいとアドバイスしています。


逆に、前例や経験に従って同じことを
繰り返す生活は、
前頭葉を使っていないのだそうです。
会社でのルーティンワークに慣れてしまうと、
どんなに優秀な人でも、
いざ新しいことをしようと思ったときに、
前頭葉がうまく働かず、
創造性も意欲もわいてこないという事態に陥ってしまうのだそうです。
これは、怖いですね、、、。


現在88歳のクリント・イーストウッドは、
公開中の最新作『運び屋』で、監督・主演を務めました。
創作のポリシーについて、彼はこう語っています。


「私はいつも異なるタイプの物語に
興味がある。西部劇でも、現代劇でも、
どんな作品でも、私はずっと新しいもの、
脳を刺激するものを探そうとしてきたし、
この作品もそうだ」


さらに、90歳の運び屋の男性を演じるにあたって、
「自分は80代だが、
80代であると感じていないので、80代であることが
どんなことなのかわからない」と答え、
役作りの参考にしたのは
子どもの頃の祖父の記憶だと語りました。


私たちが、クリント・イーストウッドのような
好奇心を持ち続けるのは難しいかもしれません。
でも、好奇心を持ち続け、
多くの「想定外」を経験することで得られるものが
すばらしく大きいことはわかります。


気がついたらルーティンばかりと感じる方、
今日から何か一つ新しいことを始めて
みてはいかがでしょうか。

最近、これいいなあ、と感じたものに、
大分県杵築市の図書館が導入している「預金通帳型の読書カード」があります。
見た目は銀行の通帳そっくり。使い方も同じ。
本を借りると、情報が通帳に印字されるしくみです。


借りる側は、本を読めばよむほど通帳の印字が増えるので、
貯金がたまっていく感があって楽しい。もっと本を読もうという気になります。
そして、これはいい思い出になりますね。
あとから見返したとき、ああこの時期こんな本を読んでいたな、
と思い返すことができるのはすてきです。


私は、子どもたちの過去のお薬手帳を見ながら、
そうそう2歳の誕生日にインフルになっちゃったのよね、
なんて思い出して懐かしい気持ちになりますが、
読書通帳ならもっといい時間を思い出せるはずです。


さらに想像をふくらませると、この読書通帳、自分だけの思い出でなく、
自己紹介のいいツールになったりもするかもしれません。
採用や婚活に使えたりして。うーん、いい取り組みです。
Twitterでも大変話題になっているようで、
作家の平野啓一郎氏も「すごくいいと思う。一生の思い出になる」と
コメントしています。


しかしこれ、考えてみると、すごい大発明というわけではありません。
ちょっとした、気の利いたアイデアから生まれた取り組みです。
たぶん「利用者が自分の借りた本の記録が見られるような
カードがあったらいいですよね」というアイデアを出した人がいて、
「いいね、それ」と言う人がいて、
「通帳型なんていいですよね」と言う人がいて、
「おー、すごくいいね」と広がって実現したのではと思います。
ここで大事なのは最初に「こんなカードがあったらいいですよね」と
アイデアを口にする人と、
それに対して「いいね、それ」と言う人の存在です。


ここからは私の勝手な想像ですが、
多くの人は、とんでもなくすばらしいアイデアでなければ
アイデアと呼べないと思い込んでいて、
ちょっとおもしろいことを思いついても
あまり口にしないのではないかと思います。
理由は、周りから能力が低いと思われたくないとか、かな。
会議で発言しないなども同じパターンかもしれません。


でも、そんな中でも「こんなこと考えちゃったんですけど」という人が出てくる。
しかし、それを聞いた人が「うーん、そのレベルだと、
みんな考えてるんじゃない?」などと言ってしまう。
そうやって多くのアイデアが消えていっているのではないかなと想像するのです。
その中には、今回の読書通帳のように、
実現すれば「すごくいい!」と思われるものもあるかもしれません。
そう考えると、もったいないなあと思ってしまいます。


なので、何か思いついたら、
くだらないかもしれないと思ってもとりあえず言ってみる。
だれかが何かのアイデアを口にしたら、
いったん前向きに聞いてみるというのはどうでしょう。
そこで「お、いいね」となれば、
盛り上がっているところには人が寄ってくるので、実現に向かうかもしれません。
読書通帳からそんなことを考えました。


ちなみに私の最近の「こんなこと考えちゃったんですけど」は、
レジでもらう紙のレシートをなしにして、
スマホをかざしたら買い物情報が取り込めるようになってくれないかな、
というもの。
それが家計簿アプリと連動して記録されたらすごくいい。
環境保護にもなり、便利。どうでしょうか。

「一番怖いのは、理由もなく怖がることよ」


これは、ディズニーのアニメ『ズートピア』で、
主人公のウサギ、ジュディが、
見事ウサギ初の警察官となってズートピアという都会へ旅立つときの台詞です。
ウサギが警察官になるなんて、しかも大都会で...と心配する両親が
ジュディにキツネよけスプレーなどのグッズを渡す場面で、
ジュディがこう言うのです。


この映画、2016年の公開時に劇場で観ているのですが、
次男が録画したものを繰り返し家で観るので、
私も10回以上観ているかもしれません。
それでも毎回、感心してしまう。
大人にとって学びが多い作品だからです。
思い込みや偏見についてすごく考えさせられます。
ご覧になっていない方はぜひどうぞ。


さてさて、「理由もなく怖がること」で、
先日読んだ新聞記事を思い出しました。
その記事は、愛知県の蒲郡市にある竹島水族館について書かれていました。


竹島水族館は、イルカもラッコもいない、
サメが泳ぐ大水槽もない小さな水族館。
それでも休日は、朝から行列ができるほどの人気だそうです。
人気の秘密は、飼育員による手書きの解説。
たとえば、
仰向けに寝る習性のあるために死んでいると勘違いされるオーストラリアハイギョの水槽には
「安心してください。生きています」と書かれた解説が。
学術的な解説よりも、そのキャラクターや生い立ち、
食味などをていねいに手書きで紹介したことが
来館者を増やすきっかけになったそうです。


あ、「理由もなく怖がること」の話、でしたね。


実は、この手書き解説の取り組みは7年くらい前にスタートしたもの。
それまでは、閉館寸前の田舎の小さな水族館だったそうです。
来館者がほんの15分ほどで、つまらなそうに帰って行く姿を見て、
当時新人であった現在館長の小林さんは、
新しい取り組みを次々と上司に提案しました。
水族館の裏側を見せるツアー、飼育員が水槽の前で解説する、などです。


でも、実績がない新たな取り組みはどんどん却下されたそう。
そうしているうちにも来館者は減り続け、
とうとう解説板を注文することもできないほどになりました。


そこで小林さんが行ったのが、今や大人気となっている手書き解説。
しかし当時、これを水槽に貼ったところ、
「手書きなんて」「内容がふざけている」と反発にあったそうです。
はがされて机の上に置かれていたこともあったとか。


それでも、小林さんはあきらめず、
手書き解説を貼り、読んでいる来場者の様子を観察し、
滞在時間が長くなったことを数字で上司に示し続けたそう。
そうして、少しずつ周囲の理解を得ていった結果、
来場者が少しずつ増えたのだそうです。
さらに、竹島水族館で働きたい!という人が増え、
1人の求人に80人の応募がきたこともあったそう。
来場者が増えるのはもちろんですが、
一緒に働きたいと思ってもらえることは、
小林さんにとってすごく嬉しかったでしょうね。


それにしても、やったことがないことをやろうとすると、
はっきりした理由もなく反対に合い、
なかなか先に進めないということは、
職場ではよくあることだと思います。
新しいことやチャレンジに対して、
前例がないなどの理由で反対するのはやめたいですね、
というようなことはよく言われますよね。


でも、思わず反対してしまう反応は、考えてみると自然なことです。
「新しいことがうまくいくかどうかわからない」「失敗するかもしれない」
という思いは誰にでもあるもの。
とくに竹島水族館のように経営が厳しい状況のときは、
新しいことを始めようという前向きな気持ちにはなりにくいのですよね。


脳神経科学的にも、この反応は自然なのだそうです。


脳×教育×ITの掛け合わせで、
世界初のNeuroEdTechという分野を研究しいている青砥瑞人さんによると、
新しいものに出会った時、脳は太古からの反応により、
「もしかしたら、それは自分の生命に危害を加えるかもしれない」
と守りに入ってしまう。
なので、新しいものに対してネガティブな反応が出てしまうのは、
自然なことだと言います。


では、どうやって挑戦する方向へシフトするのか。
青山さんによると、
まずは不安でビクビクしている自分に気づくことだといいます。
不安に思っている自分に気づいたら、
「命の危険がありますか?」と問いを立て、
そこで自分がどう感じているかを俯瞰的に感じ、認めること。


さらに、新しいことは大抵失敗し得るものであること。
失敗したときは「ネガ反応」が出るということも
しっかり頭に入れておくことが大切だといいます。
こうして、一つ一つ自分の反応を認めていくことが、
ネガティブをポジティブに変えることにつながるのだそうです。


なるほど。
私は、自分のことは後先考えずにやり始めるタイプです。
そこでうまくいかなくても失敗と認識しない楽天家。
そういえば、「死ぬわけじゃないし」とよく思っていた気がします。
でも、身近な人のことになると話は別。
不安や心配がかなり出てくることに気づきました。
心がザワザワするときは、そう感じている自分に気づき、
認めることが必要なんですね。
そして、うまくいかないときの反応にも準備しておく。
なんだかちょっと安心したような気がします。

先日、友人たちと「緊張」についての話題で盛り上がりました。


私の友人たちはリラックスタイプが多く、
緊張しがちな人が少ないように思うのですが、
それでも若い頃は緊張からくる失敗がいろいろあったようです。
ある人はバイトの面接で緊張しすぎて、
その場から走って逃げたと告白。
またある人は、職場で、大事な話があると言われただけで、
緊張して泣いてしまったと言い出し、、、。
大人になったよね、私たち、と言って大笑いしました。


大阪ガスグループが発表した調査結果によると、
「自分は緊張しやすいタイプ」だと認識している人は
8割を超えるそうです。


仕事で一番緊張するシーンは、
「社外でのプレゼンや発表の時」(38.0%)が最も多く、
次いで「初対面の人と話す時」(21.0%)、
「外国人と話す時」(12.4%)。


緊張防止のための事前策については、
6割以上(62.7%)が「ない」と答えていて、
女性に比べて男性の方が対策に無頓着な傾向が高く、
年代が上がるほど対策を講じない人が多いとのことです。
ちなみに、事前策があると答えた人に聞いた具体的な行動としては、
会議に参加するメンバーのリサーチや資料作成などの「入念な事前準備」、
自分の発言や行動を事前練習する
「イメージトレーニング」や「シミュレーション」などでした。


『NHK式+心理学 一分で一生の信頼を勝ち取る法』の著者で、
スピーチコンサルタントの矢野香さんによると、
緊張するのは「いいこと」なのだそうです。


なぜなら、
適度な緊張感は、その話の聞き手、
その話をする場に対する尊敬(リスペクト)の表れだからだそうです。


相手に話をすることを大事に思っているからこそ、緊張する。
もしも人前で話すときに緊張を感じたら、
「このスピーチを大切に思っているんだな。いいこと」
と思うべきなのだそうです。


大事なことは、その適度な緊張を保つコントロール法を知ること。
それはつまり、緊張するような状態をやめるということだといいます。


むむむ? どういうことだ?と思いますよね。


矢野さんによると、
「緊張シーンで、やってはいけない行為ワースト5」があるのだそうです。
それが次の5項目です。


●ワースト第5位 「まったく緊張しない」
緊張感をまったく持たないで話す場に臨むと
「態度の失礼な人」という印象が、
話の内容よりも如実に伝わるのだそう。
「私、まったく緊張しないんですよ」と自慢げに言うのも
やめたほうがいいそうです。


●ワースト第4位 「準備不足」
準備不足は、不安感をあおり、結果として緊張を高めてしまいます。
「ここまで準備をしたから大丈夫」と自分が納得するまで、
しっかり準備をして臨むようにするといいそうです。


●ワースト第3位 「間違った深呼吸」
深呼吸は「吸って、吐いて」という順番だと思っていますが、
これはますます緊張を高めるそう!
緊張で身体が過呼吸の状態になっているときは
「吐いて、吸う」が正しいのだそうです。
まずは息を吐ききって、次に口を押さえて鼻から息を吸い、
その後は自然に息をスーっと口から吐くといいそうです。


●ワースト第2位 「手を身体の前で重ねる」
お辞儀をするときのように手を前で重ねると、
身体に余計な力が入り、ますます緊張するのだそう。
両手は身体の横に自然に沿わせるのだそうです。


●ワースト第1位 「気をつけの姿勢で立つ」
え? 身体の横に手を沿わせると気をつけになっちゃうけど、
と思いましたが、この気をつけは特に「足」のこと。
両足をぴったりとそろえて立ってはいけないそうです。
緊張しないための立ち方は、
まず、効き足を一歩前に出して重心を置き、
逆の足は添えるだけで、体重を乗せないのだそうです。


いかがでしょうか。
緊張してしまったとき、「緊張はだめだ!」と思うと、
ますます緊張することがよくありますが、
「緊張するということはこの場をリスペクトしているということ。
適度な緊張にコントロールしよう」
と思えば、かなり気が楽になりそうです。
その上で、立ち方などの工夫をすると、
何だかうまくいきそうな気がしてきますね。


私は、というと、リラックスが過ぎないよう、コントロールしたいと思います!


今週も暑そうですが、元気にまいりましょう。

昨夜、テレビで『クレイジージャーニー』という番組を観ていたら、
山の急斜面をスキーで滑り降りるスキーヤーの方が、
今まで一番ピンチだったのはクレパスに落ちてしまったときで、
しばらく意識を失っていたが、たまたま持っていたノートに状況を書き込んでいたら落ち着いてきて、
だんだん正気に戻ることができた、
と語っていました。


と、ご紹介した例が少々極端な状況のものでしたが、
仕事でもプライベートでも、「書く」ことで解決できることは多いですよね。


ところで、この「書く」という行為ですが、
「書ける」と思っている人は、
それほど多くないようなのです。


ある調査によると、
「書く能力は重要」と思っている人は、
大企業の非管理職で68.4%、管理職で87.5%にのぼりますが、
「書く能力が十分にある」と答えた人は、
非管理職で男性で6.7%、管理職男性で18.8%、
非管理職女性で11.8%、管理職女性で18.8%にとどまりました。


その中には、
「書く」こと自体に苦手意識があって抵抗感がある方も、
「書くことは好きだけれど、文章力がない」と感じている方もいるかもしれません。


よく、「書けるようになるためには、とにかくたくさん書くことだ」という話を聞きます。
確かにそうだと思うのですが、
書くことに抵抗感がある方にとってはハードルが高いですし、
書くことが好きな方にとっても、
仕事以外で書く時間をとるのは難しいかもしれません。


で、見つけました! いい方法を。


文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う山口拓朗さんが紹介している、
「文章を書かずに文章力を鍛える方法」です。


その方法とは、目に入ってくる文章を
「意識的に読む」こと。


たとえば、電車の中吊り、街の看板、飲食店のメニュー、新聞、雑誌などの文章。
これらを、読み流すのではなく、
意識的に読むことで、
文章力が向上するとありました。


山口さんによると、
意識的に読むポイントは以下の10項目。


1.誰に向けて書かれたか?
2.どんな目的で書かれたか?
3.何を伝えたかったか?(最重要メッセージは?)
4.読む人をどういう気持ちにさせようとしたか?
5.どういう展開になっているか?
6.言葉の選び方は適切か?
7.わかりやすく工夫されているか?
8.文章にムダはないか?
9.具体的な言葉を使っているか?
10.ストレスや不快感を感じないか?


これ、すごくいい方法だと思いました。
考えてみると、私もやっています。


中吊りも結構じっくり読んでいるし(変な人に見えているかもしれません)、
ショッピングモールの店内に貼られている案内の文章なんかもちゃんと読んでいます。
そういえば、テレビを観ていても、ナレーションの文章を文字にして聞いています。


あまり意識していませんでしたが、
この方法で、よい文章の型が入っているような気がしますし、
ダメなポイントにも気付けるようになっているように思います。


「普段からそんなことするなんて、リラックスできない」という声も聞こえてきそうですが、
最初はちょっと意識するくらいで十分だと思います。
そのうち、気付いたら家から会社まで移動する間に、たくさんの文章例が頭に入ることになります。


これ、なんだかお得感ありますよね。
書くことに抵抗感がある方も、
こうしてインプットされていけば、
書くハードルが下がるのではないでしょうか。


そういえば、私は先日、マクドナルドの店内に貼られていたコピーを読んで、
「リズムが心地よい文だなあ」と思いました。
最後の一文がいいのかなあ、なんて、
ポテトをつまみながら考えましたよ。

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