ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

「間」に目を向ける〜平昌オリンピック「パシュート」から学べること

平昌オリンピックも残すところ1週間。
週末の、羽生結弦選手、宇野昌磨選手の金銀の活躍、素晴らしかったですね!
さて、目下私が一番興味があるのが、スピードスケート女子団体パシュートです。
本日19日が予選、21日に決勝が行われます。
最初はパシュートと聞いても、ピンときませんでしたが、
NHKスペシャルで日本代表が取り上げられているのを見て、
あまりの知的な戦略に魅了されてしまいました。


ソチ五輪で敗退した日本代表チームは、
その後の強化によって今やワールドレコードを更新中。
スケート王国オランダに数秒の差をつけて優勝を続け、
金メダルへの期待が高まっています。
代表メンバーは、高木美帆、菊池彩花、佐藤綾乃、高木菜那の4選手。
監督はオランダから招かれているヨハン・デビットさんです。


私が興味を持った最大の理由は、
オランダの代表メンバーが個人種目トップ10の選手ばかりなのに対して、
日本代表は高木美帆選手以外トップ10に入っていないという点。
それなのに、なぜ勝てるのか、興味津々でした。


この記事はパシュートを説明することが目的ではないのですが、
どんな競技か、少しでもイメージしていただけるように、
競技の特徴について簡単に紹介しますね。


1チームは3人1組。
2チームで、それぞれがリンクを6周し(女子の場合です)、
そのタイムを競うトーナメント式の競技です。
面白いのは三人が縦1列になり、先頭走者を順番に交代しながら、
レースを進める点です。
最低でもチーム全員が1周は先頭を滑らなくてはなりません。
逆に言えば、均等に分担しなくてもいいというところがミソです。
百聞は一見にしかずなので、「パシュート」で動画検索してみてください。


自転車競技などもそうですが、トップを走る選手が感じる風圧は
2番手以降とは比べものにならないくらい強烈らしく、
だからこそ先頭走者の後ろで滑る間に体力を温存し、
先頭走者になったら、それを使い切ってレースを引っぱります。


では、なぜ日本がそこまで強くなったのか。
その理由はもちろん1つや2つではないはずですが、
NHKスペシャルで大きな理由として挙げられていたのは、
「一糸乱れぬ隊列」と「高速の先頭交代」でした。

具体的には、徹底した風圧の研究に始まり、
時速50kmで走行中でも接触しない絶妙な距離を追求した結果、
選手間の間隔を1mより短く保ち、前の選手を盾にして滑るスタイルを確立したこと。
さらに、スピードを均一化しオランダの半分のスピードで
先頭交代することにもこだわりました。
いずれも、体力の消耗を最小限にすることを狙ったもので、
それが勝利への戦略の要と考えたようです


しかも、、、
日本代表は、ワールドレコードを最初に更新した後も、
さらに戦略的に戦い方に変更を加えています。
先頭役は、3人で均等に滑るのが一般的であるのに対し、
エースである高木美帆選手がなるべく長く先頭を滑る
という戦略に出たのです。
W杯第3戦で高木美帆選手は、
1回目の先頭役で1.75周、4回目の先頭役で1.75周と、
合計で3.5週を先頭で滑りました。


あーん、こんなふうに説明しても、
彼らの戦略のスゴさ、ちっとも伝わる気がしません。。。(息)


私がこの番組を見て学んだことは、
チーム力というものは必ずしも個人の力の総和ではない、という点です。
個人と個人をつなぐ「間」を見直すことで、
個人の力の総和という発想で戦っている競合相手に勝つことができる、
これがとても新鮮でした。

つまり、日本代表チームが行なったのは、
チームとしてどう戦ったら個人の力の総和以上の力が出るのか、
こう戦うべき、こう戦うしかないという思い込みを捨てて、
個人と個人をつなぐ「間」の工程を徹底的に見直し、
全体最適のために「戦い方」自体のPDCAを回した、ということだと思います。
「間」に目を向けるというこの発想、企業という組織にも有効ですね。


今日からいよいよ本番です。
女子団体パシュート日本代表の皆さんを
ぜひ一緒に応援しましょうね!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

社長メッセージを見る >>

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ