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マイクロアグレッション? 想像力で対するしかないね

昨日5日(月)に配信するはずだったメルマガ、
悲しいことに、記事を書いて保存しようとするとクラッシュしてしまい、
それを2日間繰り返したので、配信を諦めました。


日の目を見なかった原稿には、テレビに出ていた高梨沙羅選手を見ていて、
気づいたことや学んだことを書いたのですが、
今、もう一度それを書く気になれないので、今回は別の話題でお届けします!


さて、、、、
「マイクロアグレッション」という言葉をご存知ですか?
最近は「ダイバーシティ(多様性)」を重んじよう...という流れに乗って、
時々目にしたり、耳にしたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。
その意味は、端的に言えば「自覚も悪意もないのに、
差別的と感じさせてしまう言動や行動」のことです。
覚えやすくするために、私は「自覚なき差別」と覚えています。


今回、なぜ、これを取り上げようと思ったかというと、
昨晩、NHKがニュースで取り上げていた豊洲市場の話題の中で、
アナウンサーが読み上げた原稿の中に「業者」という言葉が入っていたからです。
自覚なき差別の一種だと私には思えました。


私の感覚では、
「業者」「下請け」「出入り業者」という言葉は、
何かしらの見下しが感じられる表現だと思っていたので、
NHKが躊躇なく使っていることに、不愉快とは言わないまでも違和感がありました。
「業者」とは言わず、「協力会社」「パートナー」「取引先」と言う。
この感覚は、良識ある企業の間では既にかなり一般的になっていると思います。
私たちも自社の取引先に対しては、そのような感覚で言葉を選ぶようにしています。
あなたが「え、そうなの?」と思われたなら、
「業者という言葉の是非」「業者 言い換え」「業者 差別用語」などの
ワードで検索してみてください。
いろいろな体験や意見が出てきて、興味深いですよ。


これは私の記憶ですが、もう20〜30年も前のこと、
あるクライアントの会議に、複数の協力会社が集まっていました。
そこである印刷会社の方が抗議をしたそうです。
「印刷業者ではなく、印刷会社の方と言ってほしい」と。
私自身はそれを目の当たりに見ていないのですが、
それを聞いてから、より一層言葉の重みに対しての認識を改めました。


さて、、、、
私は、今、ここで「業者」という呼称はけしからん...ということを
書きたいわけではありません。


私たちの中にある、無自覚・無意識の差別...ということに対して、
私たちはどう向き合ったらいいのか、が今日のテーマです。


そもそもなぜ無自覚・無意識になるのか?
私はこう考えました。
人の言動や行動というのは、少なからず知識と結びついています。
例えば、
「業者」という言葉は見下されていると感じる人が多い言葉であると知ったら、
「使わない方がいいな」と意識する人が増えると思います。
でも、知らないと、何の意図もなく使ってしまいますよね。
つまり、知識がないと行動を変えられません。


例えば、次のような言葉もマイクロアグレッションになりかねませんが、
あなたに、そのような認識はありますか?


・(外国の方に対し)日本語がお上手ですね
・(外国の方に対し)お箸の使い方がお上手ですね
・(容姿と国籍の違いから)ご出身はどちらですか?
・アジアの方の割に、すごく背が高いですね
・女手一つで、よくここまでやって来ましたね
・女性なのに、男性並みの決断力ですね
・男性とは思えない、繊細さを感じます
・あなたには、いつか結婚して幸せになってほしいです
・彼/彼女はいるの?
(ストレートであっても不愉快。まして同性愛の人はダブルで不愉快)
・私には、そっちの気(け)はないから。
(ストレートでない人は、自分の存在が否定されたようで不愉快)
・そんなに真面目にやってないで、もっと人生楽しもうよ!
(楽しんでいないと決めつけられたら不愉快)
・お子さんは何人?
(不妊症の人にとってはいるのが当たり前とされたくない)


えーっと、私の場合なら、「女手一つで、よくここまでやって来ましたね」とか
「女性なのに、男性並みの決断力ですね」と言われた経験はあります。
別に目くじら立ててどうこう思いはしませんでした。
理由は、素直に褒めようとしてくれたか、
あるいは多少のお世辞か、好意的な表現だと受け止めたからです。
でも、それを語った人の女性への目線としては、
「弱き者」という目線なんだなーと感じたような気がします。
はるか昔の記憶ですが。


また、30代の頃かな、ある友だちが私にシェアしてくれたこと。
「あなたには、いつか結婚して幸せになってほしい」と人に言われて、
ムカついた、と。別に自分は今、幸せなのに、と。
そう言われて不愉快に思うシングルは、今どきはもっと多いでしょうね。


当然ながら、上の例は、あくまで例でしかありません。
大切なのは、多様性が重んじられる社会で、
画一的な価値観を前提としたコミュニケーションを図ろうとしては、
うまくいかないということです。


では、発言する際の原理原則はあるのでしょうか?


...考えてみましたが、ありそうでない。
というのは、結局相手がどう思うか、どう感じるかだから、です。
これは、ハラスメントとほぼ同じですね。
嫌がらせのつもりがあったかどうかは問題ではありません。


としたら、常に意識を広く敏感に持つしかありません。
まずは、自分とは別の立場や価値観の人たちに対する知識をいかに仕入れるか。
そして、その人たちは、どう思うだろうか?、と。
グローバルも、ダイバーシティも、マイクロアグレッションも、
どのキーワードについても私たちに必要なのは、きっと他人に対する想像力ですね。


「他人への想像力」。
まずはそっちに意識を向けてみますか。。。


珍しく火曜日発信のメルマガです。
どうぞ今週の残る日が良い日々でありますように!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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